官民の建設投資の増加、2020年東京オリンピック・パラリンピック、高度経済成長期の建造物やインフラの老朽化問題、2025年大阪万博など、堅調に推移する国内建設市場ですが、一方で深刻な技術者不足に直面する業界でもあります。
株式会社テクノプロ・コンストラクションでは、建設施工管理技術者の育成・輩出を企図し、2017年7月に「東京技術センター(東京都八王子市)」を、2018年2月には「大阪技術センター(大阪府吹田市)」を開設し、これまで、約350名の建設施工管理技術者を育成してまいりました。
最近では、全国の建設現場における技術センター卒業生の活躍が評判となり、大手ゼネコン・サブコン・設備関連会社などのご担当者様が見学にお越しいただけるまでになりました。
この度、お客様からの研修内容に関するご要望・ご意見もあり、また増加する研修希望者への対応のため、東京技術センターの増床並びに研修設備の拡充を行いました。
2019年9月18日(火)、リニューアルオープンした東京技術センターにおいて、第18期研修生の約1か月間にわたる研修がスタートしたこの日、研修センターの見学と研修生への激励を兼ねて、テクノプロ・ホールディングス㈱代表取締役社長兼CEOの西尾が訪問し、研修生に対して、テクノプロ・グループの概要や、建設業界の抱える課題や未来について、また、安全の重要性について伝えました。
研修の様子
1か月間の研修期間では、建築・土木・設備等の概要、建設施工管理の基礎知識、安全管理、測量実務などを習得するための研修は勿論、実際の建設現場で毎日行われている朝礼や安全コールなども当番制で実施しており、技術センター卒業後、まごつくことなく建設現場に入っていけるような工夫が凝らされています。
オリエンテーションでは、技術センターでの生活や各種書類・教材の説明に続き、最新データを示しながら講師の体験談を交えて、建設業界や施工管理の概要が伝えられ、さまざまな想いを抱いて集まった研修生は、今日から始まる1か月間の研修を通じた自分自身の変化への期待が高まります。
あらたに導入した研修設備では、お客様や全国の営業担当者からの要望が多かった工事写真の撮影方法や黒板(ホワイトボード)への記入方法などの体験研修も追加されたほか、施工管理技術者が実際に作業を行うことはありませんが、鉄筋をワイヤーで拘束するためのハッカーという道具の使い方の体験を通して、建設現場を多面的に理解することができます。
さらには、ハーネスの正しい装着方法の習得とともに、高所からの墜落をVRで体感し、建設現場における安全確保の大切さを身をもって体験することができます。
なお、テクノプロ・コンストラクションの技術センターでは、2022年1月に控える現行の安全帯からフルハーネス型墜落制止用器具への完全移行(一定の条件あり)を前に6時間の特別教育を、また、低圧電気に関する座学7時間・実技7時間の特別教育を、それぞれ有資格者が研修生に対して実施することで、技術センター卒業と同時に「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育修了証」と「低圧電気取扱特別教育修了証」が発行されます。
研修生の様子
研修生の内3名は、建築・土木の経験がありましたが、それ以外は全員異業種からの挑戦となります。前職はさまざまですが、人とのコミュニケーションを大切にしていたり、モノづくりや建物が好きだったりと、いくつか共通点があるようです。
ある女性研修生は、「建設に携わりたいと思っていましたが、女性からしてみるとちょっと近づきにくい感じの業界でしたし、ましてや経験も無いので、二の足を踏んでいました。この会社には、研修制度があるので、思い切ってみました。早く戦力になりたいと思います。」と胸の内を話してくれました。
また、東京スカイツリーの出来上がっていく様子を毎月撮影していた研修生がいたり、子どもの頃から建設重機が好きだったりと、たまたま縁が無くて建設業界に身を置くことが無かった建設好きがたくさん集まってくれました。
技術センターでの1か月間の研修で基礎を身に付け、全国の建設現場で活躍する卒業生の姿を見るのが今から楽しみです。
(2019.09.18)