2017年7月25日(火)、テクノプロ・IT社の2017年度6月期エンジニアMVP表彰が行われ、名古屋支店でチームリーダーを務める柳澤美香さんと神戸支店の白井幸栄さんの2名が賞を獲得しました。柳澤さんは2016年4月時点の配属時に4名だった配属人数を2017年6月末時点で15名(インタビュー時点では16名)まで着実に増加させたことに加え、リーダーとしてお客様との間で築いた信頼関係を活かして新卒配属や契約単価交渉などの面でも大きな実績を残し、取引拡大に貢献した功績により見事MVPを受賞。白井さんは2016年2月の配属後、お客様の倉庫管理システム導入という新規大型プロジェクトの受注に向けて大阪開発センターと緊密な連携を行い、20年来にわたるこのお客様との取引の中で初となる受託案件の受注に成功、さらにはテクノプロ・IT社で初めてオンザマークへの部分発注を実現するなど、受託開発の拡大というテクノプロ・IT社の事業計画推進に大きく寄与。お客様との信頼関係をより強固なものにした点なども含めて高い評価を受け、MVP獲得に至りました。表彰式当日に本社を訪れた二人にインタビューに応じていただき、表彰を受ける前の貴重な時間にさまざまなお話を伺いました。
MVPにつながる成果を達成
― 今回はMVPの受賞、おめでとうございます。まず白井さんから、担当されているお仕事と、ご自身なりに今回の評価に結びついたと思うポイントを教えてください。
白井 私は、大手電気メーカー関連会社のアプリケーション開発部門で仕事をしており、担当業務は倉庫管理システムの開発と導入です。
受賞に結びついたプロジェクトについてお話しすると、まずお客様の既存の倉庫管理システムでは、実際の物品の動きや倉庫内での保管場所などの情報がシステムの入出庫情報に即座に反映されていなかったという課題がありました。「情報」と「物」が一意に結びつく、いわゆる「情物一致」がリアルタイムに実現できていなかったため、新たなシステムの導入の計画が持ち上がり、私にもプロジェクト参加のお声がけをいただきました。
私自身は過去に会計ERPを手がけた経験はあったものの、製造業の倉庫管理という分野は携わったことのない未知の領域でしたので、プロジェクトに参画した当初はまさに「暗中模索」といった状態で、引き合いをいただいたものの何をどうしていいか分からず、困った末に支店長や営業担当の方にご相談したんです。すると、「それじゃ、製造業向けの開発案件が多くて自動倉庫なども得意な大阪開発センターに相談してみよう」ということになり、早速、営業担当から大阪開発センターの柴田マネージャーに連絡を入れていただき、柴田マネージャーから助言をいただけることになりました。
そうして実際にプロジェクトがスタートし、基本設計から参加していましたが、作業が進む中で「プロジェクト規模の大きさを考慮して工程の一部を外部に出したい」というお客様の要望が持ち上がり、その意向を受けて大阪開発センターでの受託に話が発展していきました。基本設計が終了して詳細設計のフェーズに入り、詳細設計書を仕様書として使える程度まで高める段階で大阪開発センターに全面的にバトンタッチしたというイメージですね。
システムの開発に際しては、入庫時に物の動きとデータ入力を違うタイミングで別の担当者が行うと管理データにタイムラグが発生する上に、入力漏れなどの人的ミスが発生するリスクが高くなりますので、入庫時のハンディーターミナルでの入力の徹底を義務付けるといったオペレーションの部分にまで踏み込んで確実に情報を把握、管理できるよう検討を重ねていきました。また、倉庫での保管や出荷時のピッキングの際も指示書に示された棚に行き、棚番号ラベルと品物ラベルをスキャンして数量をハンディーターミナルに入力するというシンプルな作業手順にすることで、熟練者に限らず誰でも簡単にできる操作性の良さを確保するよう工夫しました。コンビニエンスストアなどのPOSレジの役割をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
今回MVPに選んでいただけたのは、支店長、マネージャー、プロジェクトメンバーの皆さんからの協力を頂きながら、お客様から初めての受託案件を獲得し、無事に導入まで終えられたことを評価していただいたのだと思います。それもひとえに、私の配属先の上司である課長が技術者のことを考えて仕事がしやすい環境を整備してくださる方だったこと、さらにはその課長と神戸支店の西村支店長との間に信頼関係が築かれていて、意思疎通が素晴らしい形で行われていたことなど、私にとって恵まれた環境が存在していたからこそだったと思いますので、お力添えをいただいたみなさんには本当に感謝しています。
― 次に、柳澤さんのお仕事についてお聞かせください。
柳澤 私は、現在のお客様の所で評価項目の洗い出しから評価手順書の作成など、評価試験全体の設計を担当しています。2016年4月に私が今の職場に配属になった頃はちょうど試験設計が始まるタイミングで、当時テクノプロ・IT社から配属されていた人数は4名でした。その時には配属人数が15名になるなんて想像もしていませんでしたが、私がお客様先で業務を始めてから約半年が経過した頃、それまでリーダーを務めていた先輩が横浜支店に異動になってしまいまして、私がリーダーを任せていただくことになりました。「自分がリーダーになったせいで配属人数を減らす訳にはいかない」という気持ちがありましたので、配属先の上司に改善事項などを提案しながら社内の情報収集も兼ねてコミュニケーションを深めるよう心掛けているうちにプロジェクトも進み、いよいよ試験実施段階に入っていきました。その頃には明らかに要員が不足する状況になっており、お客様からテクノプロ・IT社の営業担当やプロジェクトメンバー、または私に対して技術者増員のお話をいただけるようになり、気が付いてみるといつの間にか15名まで増えていた、というのが率直な実感です。
今回、配属人数が4名から15名に増えたことを評価していただきMVPを頂戴することができたのだと思います。でも、私1人だけでできることは本当に限られていますし、営業担当の方、チームメンバー全員、採用担当の方など、この結果を得るために努力していただいたすべてのみなさんにお礼を申し上げたいです。テクノプロ・IT社の久我取締役も定期的にお客様を訪問して下さっていたことを営業の方からお聞きしましたし、他のお客様からも技術者増員のご要望が多い中で配属が進まず、営業や採用のみなさんもご苦労されていたと思いますが、そんな中でも力強くバックアップしていただいたことに心から感謝しています。
技術の仕事で活躍する場を求めテクノプロ・IT社への入社を選択
― お二人ともキャリア入社とのことですが、テクノプロ・IT社に入社したきっかけをお聞かせください。
柳澤 私は、大学卒業と同時にプログラマーとして仕事に就いたのですが、しばくしてリーマンショックが到来してしまい、それに伴って会社の業績が悪化したため、多くの同僚とともに会社都合での退職を余儀なくされてしまいました。その後はデバッグを専業とする会社で契約社員として仕事をしていましたが、やはり正社員として仕事をしたいという思いが強く、その会社は約2年半で退職し、スキル不足を補う目的でハローワークから紹介されたJavaの職業訓練に通ったんです。
訓練も一段落した頃からはハローワークで次の勤め先について情報収集していたのですが、その際にテクノプロ・IT社名古屋支店の求人情報を見つけ、早速応募して面接に伺いました。その際に対応してくださった方がとても親切でしたし、会社の規模なども申し分なく、ぜひ入社したいと思っていた所に、面接を受けた会社の中で一番早く内定を頂きましたので入社を即決しました。
白井 私は、大学卒業と同時に富士通の関連会社に入社してERPパッケージのSE業務を担当しましたが、その会社を退職してから約10年間はIT業界から離れ、中小企業で総合職と秘書業務の兼業とでも言えばいいのか、いわゆる「何でも屋」として仕事をしていました。その会社の従業員の中で私が一番IT関連の知識を持っていたこともあり、パッケージソフトを導入する際のソフト選定や導入から運用などの業務も任されるようになりましたが、振り返ってみると、このソフト導入などの業務が転職を決意するきっかけになりましたね。
パッケージソフト導入に際しては当然、システムエンジニアの方と頻繁に話をすることになりますが、業務自体にも懐かしさを感じて心地良かったですし、何と言ってもエンジニアと会話が噛み合うことが楽しくて、「また、チームで仕事がしたいなあ」と思うようになってきたんです。
そこで転職活動を始め、とあるソフトハウスからの内定をもらったのですが、そこでの仕事は若手エンジニアの育成業務が中心とのことで、自分も実際にプロジェクトに関わりたいという私の転職目的に合っておらず、入社を決断できずにいた時にテクノプロ・IT社に巡り合いました。取引先が大手企業中心であることにすごく魅力を感じましたし、充実した教育研修制度があることを知り、「もっと勉強したい」という私の願いも叶うと感じましたので、2015年2月に神戸支店に入社することにしました。
「人に輪に飛び込む勇気」と「チャレンジ精神」が大事
― 仕事を進める上で気をつけていることを教えてください。
白井 人の輪の中に、勇気を持って自分からトビラを開けて入っていくことでしょうか。それができるとチームで仕事をする上ではずいぶん楽になるだろうと思います。まあ、私はどちらかと言えばそれほど勇気を持たなくても輪の中に入っていけるんですが(笑)、個人の性格もさまざまですから、人によっては簡単にできない場合もあると思います。
少し前から「若い人は自分の時間を大切にする傾向が強い」なんて話をよく耳にしますが、職場のみんなで飲みに行く機会も減っているのではないでしょうか。それはそれで否定するようなことではありませんが、私はいわゆる「飲ミュニケーション」も大切だと思うんです。古い考え方かもしれませんが、一度飲み会で同席した人とは翌日から不思議なほど話しやすくなったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
飲み会を通じて少しでも仕事がやりやすい環境が整うのであれば、その時間の使い方も自分にとって有意義なものだと考えているのですが、そもそも「仕事を進める上で気をつけていること」という質問の趣旨からちょっとずれた話のような気もしますし、単純に少しだけ(?)お酒が好きな私の都合の良い解釈かもしれません。大変失礼しました(笑)。
― いえ、分かる気がします(笑)。では柳澤さんからもよろしくお願いします。
柳澤 私は、チャレンジ精神を持って色々なことに挑戦するようにしています。無茶なことをする必要はないと思いますが、「少しハードルが高いな」と思うようなことでも実際にやってみないと分からないことは沢山あります。万一、失敗したとしても、ちゃんと振り返って失敗の原因が理解できればその失敗から学べることは多いはずです。
ウケを取れそうなおいしい所は白井さんに持っていかれちゃいましたので真面目な話になってしまいましたが(笑)、「チャレンジ精神を持ち続ける」と口で言うのは簡単でも、いざ実行するとなると結構難しいことだと思います。だからこそ、私自身、今後も忘れずに心掛けていきたいですね。
白井 ちょっとインタビューの予定時間を過ぎてしまいましたが、私から最後にひとつ、付け加えてもいいでしょうか?
今回MVPにつながったプロジェクトですが、最初に受託化が決定した時には配属先上司の課長から「白井さん、今回は大きなプロジェクトだから、まずは設計できる方に3人くらい常駐してもらって、少し仕事に慣れてもらうことはできないかな?」と持ちかけれられたんです。お客様にはテクノプロ・IT社のことを信頼して頂いていたとは思いますが、おそらく初めて開発を委託することに少なからず不安を感じて、そういったご相談をいただいたんだろうと思います。
とはいえ、大阪開発センターも抱えている多くの案件をこなすために、メンバーのアサインなども含め細かく計画を立てて仕事をしているはずですので、「突然そんなお願いをしても厳しいだろうな…」と思いつつ、とりあえず営業担当を通して柴田マネージャーに相談させていただきました。
私の相談を聞いた柴田マネージャーは快く了承してくれましたが、私自身、人員調整がそう簡単にできるものではないと考えていましたので、「柴田マネージャー、何とかお願いします…!」と、祈るような気持ちで毎日を過ごしていました。そんなある日、突如としてお客様の所に姿を現したのは、何と大阪開発センターの中でもエース級の3人だったんです!
まるで映画のワンシーンのように颯さっそう爽と現れたメンバーに私がびっくりしたのはもちろんですが、その仕事ぶりを目にした課長も「何でこんなにすごい人達が…‼一体どこから現れたの!?」と言わんばかりで、満面の笑みを浮かべて喜んでくれました。
エース級人材を3人も送り出すという柴田マネージャーの決断と男気、そして快諾してくださった3人の方々に心から感謝すると同時に、なんだか私自身もちょっぴり偉くなったような優越感を抱いて熱い気持ちが湧いてきて、心の中で「すごいぞ、テクノプロ・IT社‼」と叫んでしまいました。もちろん、それによってお客様からの信頼がますます深まったのは言うまでもありません。
今回の案件は全国各地で実際に物品を管理するシステムの開発でしたが、導入に際してはお客様の本社サイドで受注と在庫を管理している基幹系システムとの連携が必要でした。そのため、基幹系で発生する仕様変更に私たちのプロジェクトも大きな影響を受け、業務内容は非常に困難なものになってしまい、開発には多くの経験値と開発力が求められたのですが、わが社のエース3人は見事にやってのけてくれました。何と言ってもそのJavaの開発力を見たお客様からも「一緒に仕事をして勉強になる」という声が上がったくらいです。
MVPを受賞できたのも、そういったみなさんの力があってこそだと思いますので、今回の表彰もプロジェクトに参画していただいた全員の方々を代表して受け取りに伺ったのだという気持ちでいます。今回のご恩返しができるよう、たくさんの方にテクノプロ・IT社のことを自慢し、宣伝していきたいと思います。本当にありがとうございました。
(2017.07.25)