今回は、テクノプロ・エンジニアリング社 IT ソフトウェア第1支店の北村渉さんにお話を伺いました。
一般的にエネルギーなど多くの資源を使用すると言われるショッピングモール。
北村さんはそんなショッピングモールの環境への負荷低減に向けた取り組みを下支えするシステムをテクノプロ・エンジニアリング社の幕張受託開発センターで請け負っています。このシステムは「SR(Social Responsibility)システム」と呼ばれ、全国すべてのショッピングモールと各部署のCSR活動の目標管理や活動結果の報告を効率的に進め、かつISO14001に基づくシステムを目的として2005年3月に運用が開始されました。
エネルギー、廃棄物、資源、排水の水質測定結果などの目標管理対象の項目別に達成状況が一目でわかる体制を構築し、PDCAのサイクルで環境負荷の低減を進めることが可能で、さらに募金活動や社会貢献活動も管理できるシステムです。2009年度には省エネ法の改正に伴い定期報告書の作成やショッピングモールに出店しているテナント向けにエネルギー使用量に関する報告書を提供できるよう拡張され、全社に導入済みです。
環境対策を掛け声だけで終わらせないために環境負荷を数値化して「見える化」した上で、常に進捗を管理し取り組みを見直す作業を継続することが求められる中、北村さんはこの「SRシステム」の開発・運用・改善を通じて環境負荷低減活動を「見える化」しています。
雰囲気の良さと働きやすさが入社前に感じたテクノプロ・エンジニアリング社の魅力
―北村さんがテクノプロ・エンジニアリング社に入社することになったきっかけをお聞かせください。
北村 テクノプロ・エンジニアリング社に入社したのは、その前の会社で仕事をしていた時に1年間ほどテクノプロ・エンジニアリング社の方とご一緒させていただいたことがきっかけです。もともと私は九州の宮崎出身で、大学卒業後は宮崎にあるソフト会社に入社して東京支店に配属になりました。決して大きな会社ではなかったこともあり、会社のことが分かってくるにつれて「仕事の幅が狭いな……」と感じるようになりました。それに、九州の給与水準で東京に勤務するのは経済的に少し厳しい面もあって、転職を考えるようになったんです。ただ、当時は何か自信の持てるスキルが身に付くまではと思い、「最低3年間は続けよう」と思って仕事をしていた記憶があります。
そのテクノプロ・エンジニアリング社の方とは「馬が合う」とでも言いますか、公私共にとても仲良くさせてもらっていたので、転職を考えた時に真っ先にテクノプロ・エンジニアリング社での他の仕事の内容や給与、福利厚生、職場の雰囲気など、いろいろと質問・相談し、その結果面接を受けることになったんです。
詳しく話を聞いてみて、テクノプロ・エンジニアリング社のほうが当時在籍していた会社よりも格段に仕事の種類も多くチャンスもたくさんあると感じましたし、何より社員の方の様子から会社の雰囲気もすごく良くて、働きやすそうに見えました。現在の仕事は入社直後から担当していますので、もう10年を超えましたが、入社前に感じたことは今でも変わりませんし、入社して良かったと思います。
仕事を通じ環境問題など多くの知識を得て成長
―環境保全のためのシステムを担当する重要な役割を担っていらっしゃいますが、ご苦労はありませんか?
北村 今まで仕事での苦労はあまり感じていませんし、むしろ楽しく仕事をさせて いただいています。
ただ、昔からショッピングモールには時々出掛けることはあっても、あくまでも買い物客としてですから、その裏側でどのようなことが行われているか、深い関心もありませんでしたし、知る由もありませんでした。ですから、この仕事に就いた当初は、まず何をすれば良いかが分からない、という戸惑いはありましたね。それに、環境問題に関して大雑把な理解はありましたが、いざ仕事で関わるとなると一般的な範囲を超えた幅広い知識が必要となります。例えば、ショッピングモールは全国に出店しますので、国の定めた環境基準や指針など以外にも、都道府県や市区町村などがそれぞれの土地柄を反映して細かく定めている基準や規則、それぞれ一つひとつに対応しながらプロジェクトの目標を達成することが重要となります。
今の仕事を担当する前も、環境問題にまったく関心がなかった訳ではないのですが、仕事上必要に迫られてという側面もあって、経済産業省の動向や法改正に非常に敏感になりましたし、環境関連のセミナーなどにも積極的に参加するようになりました。SRシステムの開発や保守・改修にとどまらず物販や環境問題など多方面にかかわることができ、仕事を通じて自分自身の成長をすごく感じることができますので、とても良かったと思います。
相手の話をよく聞き考え方を理解することが大切
―多くの方との接点を持ちながら仕事を進める上で、工夫されていることをお聞かせください。
北村 工夫というほどではありませんが、 私が担当するシステムは多くの方に使用してもらいますので、開発や改修の際はプロトタイプでの確認作業を大切にしています。
プロトタイプの段階から「使う人の立場から検討できているか」「ユーザーの懸念点を解決し要望を反映できているか」「実装できない機能や実現できないユーザビリティを説明し理解してもらえたか」といった一連の確認作業を行うことが、本当の意味で『使える=使ってもらえる』システムを作るためには必要だと思います。
もちろん、プロジェクトを進める際には資料や書面に必要なすべてを記録していますので、後から問題が発生した場合に「そのことはご説明しましたし、資料にも書いてあります」と四角四面に言えるのかもしれません。ただ、それではシステムの機能や使い勝手が良かったとしてもユーザーの満足度は高まりません。せっかく作ったシステムですし、気持ちよく使って欲しいですからね。
あと、打ち合わせの場面で気を付けていることとして、相手の話を途中でさえぎらず最後まで聞くことを心がけています。
そうすることで相手の考え方や、考える際の軸 ―癖というべきでしょうか― みたいなものが良く理解できます。人それぞれ話の筋道の立て方が違っていて、冒頭から全体像が理解しやすい話し方をする人もいれば、最後まで聞かないと結論が分かりにくい話し方の人もいます。
そんなふうに人の話をよく聞くことで、自分自身の話し方の勉強にもなりますし、相手から「自分の話をよく聞いて、理解しようとしてくれている」という印象を持ってもらうこともできます。その結果、打ち合わせ全体がスムーズに進められる雰囲気作りにも役立ちますし、それだけでなくその後のプロジェクトも進めやすくなります。何よりも、ユーザーの希望や課題を盛り込んだ提案が可能になります。それから、情報の伝え方についてもひと工夫することも大事ですね。質問を受けた時に、質問に答えることは当然ですが、その周辺情報や参考情報なども回答と併せて伝えることができれば信頼度は格段にアップしていくはずです。そんなちょっとした工夫で、仕事も広がって行くのではないでしょうか。
打ち合わせでは、知らない言葉が出てきたり、不安に思っている話題に触れられたり、ドキドキすることも多いですよね。自分の専門外で知らないことは、恥ずかしがらずに聞きましょう。『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』とは良く言ったものだと思います。ただし、聞いて大丈夫な内容か、それとも聞いてはいけない内容なのかが判断できるくらいの知識を習得する努力は必要ですね。
休日は大切な家族とドライブや買い物をして過ごす
―最後に、休日の過ごし方や趣味などをお聞かせください。
北村 そういえば、言い忘れましたが、テクノプロ・エンジニアリング社に入社して良かったことがもう一つありました。仕事も収入も、そして気持ちも安定したことで、結婚して、子供もできました。テクノプロ・エンジニアリング社に入社したことと直接には関係ないのかもしれませんが、私にとっては間違いなく入社して良かったことの一つだと思っています。そんな訳で、休日は家族でドライブに行ったり買いものに行ったりすることが多いですね。
それから、今はスポーツをする機会がめっきり減ってしまいましたが、中学校からバドミントンをやっていまして、自分で言うのもなんですがアマチュアでは結構なレベルに到達していたと思います。リオオリンピックではテレビで放送されていた髙橋選手、松友選手の「タカマツ」ペアの活躍を誇らしい気持ちで観戦していました。また、昔、ボウリングにハマったことがあって、ハイスコア240点は私の武勇伝の一つです。
―新システム導入の際にはユーザーから「使いづらい」「分かりにくい」といった声が挙がりがちですが、北村さんのような工夫をすることでユーザー目線に立ったシステム構築ができることがよく分かりました。
(2017.02.08)