テクノプロ・グループで教育研修事業を手掛けるピーシーアシスト株式会社(以下「PCA」)。米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)と『認定トレーニング・パートナー(ATP)契約』を締結し、『Project Management Professional』(以下「PMP®」)公式対策講座を提供しています。今回はこの講座を受講している株式会社テクノプロ(以下「TPR」)イノベーション&インテリジェンス部(以下「I&I部」)のマシュー・ドルマンさんに、受講のきっかけや資格取得の目的などについてお話を伺いました。
会社のサポートで長年取得したかった資格に挑戦
まずはドルマンさんのことについてお伺いします。現在はTPRのI&I部に所属していらっしゃいますが、どのような仕事をされているのでしょうか。
ドルマン I&I部は、テクノプロ・グループが現在力を入れているソリューション事業の強化のため、世界のテクノロジー市場の調査や社内の各種データの可視化、デジタルマーケティングの推進といった役割を担っているのですが、私は2023年1月に入社し、I&I部がより効率よく機能できるよう他部署や他の事業会社とのつなぎ役やプロジェクトを円滑に進めるような役割を担当しています。それがPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の任務になります。
日本語が相当にお上手ですが、以前から日本にいらしたんですか。
ドルマン 日本に来てから10年になります。出身はイギリス西部のブリストルという街なのですが、英語教師として短期間のつもりで来日したところ、住みやすさを気に入って改めて日本に戻り、国立大学に留学して言語学の修士号を取得しました。その後は一度イギリスに帰国して仕事に就いていたのですが、その時の勤務先からの指示で福岡に転勤になり、それからはずっと福岡に住んでいます。
そんなドルマンさんが、今回PMP®資格取得対策講座を受講された理由を教えてください。
ドルマン 私は前職でプロジェクトマネージャーとして仕事をしていたのですが、その頃から自分の成長のためにこの資格はぜひ取得したいと考えていました。TPRに入社する際の面接の時にもPMP®資格に挑戦したいと思っていることは伝えていたのですが、PCAの講座提供がスタートした時に、それを覚えてくださっていたI&I部の部長が受講を薦めてくれました。自分としても、現在の業務スキルを持続的に向上させ、より専門性を高めていきたいという強い思いがあり、講座受講を決意しました。
手法やノウハウに関する学びを実務に活用
実際に講座を受講してみて、どのような感想をお持ちになりましたか。
ドルマン 講座では、トラブルや変化への対応方法、プロジェクトカテゴリ別の論理やモデルなど非常に多くの手法やノウハウを学ぶことができたと感じました。もちろん、全部の内容を一気に使いこなすことは無理ですが、自分の仕事に応用できそうな部分から実際に少しずつ活用するように心がけています。ステークホルダーの可視化など、言われてみれば当たり前のことでも、今まではあまり深く考えていなかったことなども意識するようになりましたね。
また、取り上げられた事例の中で日本と海外の文化の違いを感じることもありました。例えば、日本ではチームメンバーに事細かに作業内容を指示しなくても、自分の業務として認識してくれて主体的に進めてくれる部分がありますが、私のいたイギリスなど海外では「これはあなたの担当です」としっかり伝えて業務分担を明確化しておかないと、やってくれないことがあります。講座の中で「こうやって進めます」と言ってあっさり説明されていた事例を聞きながら、「それは海外だとはっきり言わないと分かってくれないだろうな…」と思ったことがありました(笑)。
講座は日本語で受講されたと思いますが、苦労されましたか?
ドルマン PMP®資格はもともと米国の協会が主催しており、テキストも英語から日本語に翻訳されたものでしたので、日本語の文章を読んでピンとこない部分がありました。試験は英語で受ける予定だったこともあり、英語のテキストを入手して日英の用語対応を理解するようにしましたが、専門用語は英語名で覚えてしまうほうが効率はよかったですね。ただ、講師の高橋さんが膨大なテキストの内容を分かりやすく、丁寧にかみ砕いて説明してくださったので、とても理解しやすかったです。自分としては、日本語での受講は言葉の勉強にもなって良かったと前向きに受け止めています(笑)。
世界で通用する資格に挑戦し、成長を目指す
海外企業での勤務経験もあるドルマンさんは、テクノプロ・グループの教育研修体制についてどのように感じますか。
ドルマン 今まで働いてきた企業と比較しても、テクノプロ・グループの教育研修体制は非常に手厚いですね。先ほどPMP®資格について「以前から取得したかった」と申し上げましたが、受験料だけでも高額ですので、対策講座受講も含めて会社が制度としてサポートしてくれることは本当にありがたいです。また、テクノプロ・グループではこの講座以外にもオンライン受講の学習システムがあり、従業員のスキル向上を支援する体制が非常に整っていますし、会社が社員の成長について考えてくれていると感じます。
対外的にアピールできる資格や認証などを取得できれば仕事に対するモチベーションも上がりますし、プライドを持って働くことができると思いますので、PMP®資格も含め、こういった資格取得サポートの制度がさらに充実してくれることを期待したいです。
昨今「人的資本経営」が注目を集めるトピックとなっていますが、今回の私のPMP®研修受講もその人的資本経営の課題に対する対応の一環だと思っています。
私に対するPMP研修がコストではなく資本として捉えられるように今後は研修で習得した知識を実践で発揮していくことで価値の創造・増殖を起こしていきたいと考えています。
最後に、今後受講を検討されている方へメッセージをお願いします。
ドルマン 日本ではまだあまりメジャーではないかもしれませんが、PMP®資格はプロジェクトマネジメントスキルを証明するものとして海外では非常に高く認知されている国際資格ですので、日本だけなく、米国や欧州でも評価されるPMP®資格の取得には大きなメリットがあります。プロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップを図る絶好の機会になりますし、仲間との受講が学びになることは間違いありませんので、「頼られるPMになりたい」と考える人にはぜひチャレンジしてほしいですね。
また、資格を取得することでプロジェクトマネジメントの専門家が集まるコミュニティに入ることもでき、学びを続けられる環境に身を置くことができますので、継続的なスキルアップにも役立つはずです。先日PMP®を受験し、無事合格することができました。資格習得のために得た知識やスキルを日々の業務で活かせるよう精進したいと思います。
ドルマンさん、お忙しい中、ありがとうございました。
※部署名、役職名等は取材日時点