テクノプロ・エンジニアリング社が日立製作所様から
『金融セグメント 2019年度プロジェクト貢献賞』を受賞
決済プラットホーム事業者向け 次世代型決済ネットワークインフラ構築プロジェクト
株式会社テクノプロ テクノプロ・エンジニアリング社は、日立製作所様から『金融セグメント 2019年度プロジェクト貢献賞』をいただきました。この賞は、同社の多くの協力企業やパートナー企業の中から、年間を通じて最も貢献した企業1社に贈られる賞で、テクノプロ・エンジニアリング社は『決済プラットホーム事業者向け次世代型決済ネットワーク構築プロジェクト』における貢献が認められ受賞となりました。
今回は、このプロジェクトのマネジメントに携わったテクニカルマネージャーの小川学さん、そして同じくテクニカルマネージャーの原子文彦さんに、プロジェクト受注の背景などについてお話を聞きしました。
積み重ねた信頼とタイミングが合致して見事プロジェクトを獲得
――今回、賞を受賞したプロジェクトはどういった経緯で受注に至ったのでしょうか。
原子 3年前の2017年11月頃になりますが、その前のプロジェクトで大変お世話になった金融第一システム事業部第一本部の本部長のところにお礼をかねてご挨拶にうかがった際に今回のプロジェクトの打診をいただき、早速、経験者2名を提案したのが始まりでした。
当初はプライベートクラウド環境による開発を前提に検討を進めていましたが、翌年の年明けに、コストメリットと将来を見据えたアーキテクチャを利用したいという理由で「AWS※を利用したパブリッククラウド上での開発を行う」という方針が示されました。
小川 その決定をきっかけとして、長年日立さんの案件に従事してきた原子さんと私がチームに参加して実機を使いながら事前技術検証を進め、8月には正式にプロジェクトが立ち上がりました。当社の担当領域はAWSを用いた環境設計全般と災害時を含めた信頼性設計です。
原子 2017年といえば、エンジニアリング社も社を挙げてAWSの人材育成に力を入れ始めていたタイミングで、AWS認定資格取得を目指して盛んに外部研修を受講していた時期でしたね。
小川 その頃は決済プラットホームをパブリッククラウド上で開発することはまだ一般的ではありませんでしたが、当時から日立さんではAWSを推進していく方針が打ち出されていました。とはいえ、新領域ということもあって、日立さんの社内でもAWSについての十分な知見を持った方が割合的に少なかったのだと思います。
そんな折に、金融システム第一事業部で20年以上にわたりプロジェクトに参画させていただいている当社がAWSに力を入れていたことはタイミングが良かったですし、その点を日立さんから見て心強く感じていただけた結果、プロジェクトの受注につながったのではないかと勝手に推測しています。
原子 長年の信頼の上に、条件が揃ったという感じでしょうかね。さまざまなプロジェクトで力を発揮してくれたリーダーやメンバーのみなさん、研修計画を立てていただいた技術戦略課、働く環境を整備してくれた支店や本社のみなさん、そして会社の進む方向性を明確に示してくださった経営陣、ご尽力いただきましたすべての方々に感謝いたします。
現在はユーザーテスト対応、そして移行を前にした細かな対応を行っており、2021年2月にローンチとなる予定です。
信頼できるクラウド開発事業者を目指し事業基盤強化・人材育成を推進
――今、話に挙がったテクノプロ・エンジニアリング社のAWSに関する取り組みについて、もう少し詳しく教えていただけますか。
原子 先ほどもお伝えした通り、当社では 2017年にAWS技術者の育成を開始して社内人材の育成に注力してきましたが、2020年2月には『AWS Partner Network(APN)セレクトコンサルティングパートナー』の認定を取得しました。今後は実際のプロジェクトを通じてノウハウを蓄積する機会を増やしていきたいと思います。2020年4月に入社した新卒メンバーから『AWS New Grads Training』を実施するなどの取り組みもスタートしましたし、社会的ニーズが高まっているクラウド開発の知識・スキルを習得する環境が社内にどんどん整備されていますね。
テクノプロ全体でAWS認定パートナーを活用していく動きもあるとお聞きしていますし、来年度にはさらに上位の『APNアドバンスドパートナー』認定の取得を目標とする予定です。人材育成を推進し、さらに多くの実績を積むことで、当社をご存じないお客様からも安心してクラウド開発をお任せいただける会社になりたいですね。
大切なのは「正直さ」「探求心」「興味を持つこと」、そして「コミュニケーション力」
――プロジェクト成功を収めるためにはメンバーの力も重要だと思いますが、メンバーに求める資質などはありますか?
小川 まずは、正直であることが大切だと思います。最低限の知識しかなくても、自分に対して、そして他人に対して正直な姿勢で業務に取り組むことができれば、ほとんどのトラブルは事前に回避できるはずです。専門的な知識は経験とともに身に付いていきますので心配することはありません。
原子 それに、探究心も重要ですね。今回のプロジェクトでも基礎検討の中でAWSを触りつつ手探りで覚えていった部分も少なくありません。そんな試行錯誤をいとわない探究心がないと、成長スピードも遅いように思います。AWSもそうですが、目に見えないものにアクセスして作業を行うITの世界で自分自身の成長の元になる最低限の知識として、CCNA(Cisco Certified Network Associate)やITパスポートなどの学習は効果的でしょう。
小川 原子さんの挙げた探究心を発揮するために、という観点から言うと、とにかく物事に興味を持ってほしいですね。今はオープンソースのソフトウェアなども無数にありますので、興味さえ持てれば1人でも勉強できる環境は十分に整っています。興味のないことは頭にも入ってきませんし、すぐに飽きてしまいますからね。そういった意味でも興味を持つことは本当に大切です。
原子 さらに言えば、コミュニケーションの力は欠かせません。チームで仕事を進める場合は特にそうだと思います。コミュニケーションという言葉だけでは漠然としていますが、私自身は「聴く力」と「伝える力」という双方向の力が必要だと考えています。ただ聞かれたことに返事をしているだけでは本当に分かっているのか不安になりますし、逆に伝えるだけでは「他人の話を聞かない人」になってしまいます。適切なコミュニケーションの実践は永遠の課題かもしれませんし、難しいことかもしれませんが、意識することで格段に差が出てくるのではないでしょうか。もうひとつ付け加えるなら態度や姿勢などの非言語コミュニケーションも重要ですね。
――最後に、今回の受賞についての感想をお聞かせください。
原子 今回、お客様からこのような素晴らしい賞をいただくことができ、メンバー全員大喜びですし、何よりも誇りに思います。
小川 この『プロジェクト貢献賞』を受賞するパートナーは金融セグメントの中でも年間1社のみとお聞きしています。この賞に恥じないよう引き続き気を引き締め、いただいたご信頼にますますお応えできるよう、精一杯取り組んでまいります。
――『プロジェクト貢献賞』の受賞、本当におめでとうございます。本日はご多忙の中、インタビューに応じていただきありがとうございました。
(2020.12.16)