社員インタビュー

エンジニア・インタビュー|湯浅 順也


2019年7月24日(水)、テクノプロ・IT社2020年6月期7月度支店長会議の場で技術社員表彰が行われました。中期経営計画、年度ごとの事業戦略、スキルアップ計画など各種の側面を評価ポイントとして約3,500名の技術社員の中から表彰者が選出されます。
今回は技術社員MVPに選出された湯浅順也さん(福岡支店)にお話を伺いました。

湯浅 順也

2017年11月入社。2018年1月に3名でスタートし、2019年6月末時点で8名体制まで拡大。売上の拡大はもとより、福岡開発センターとの連携による受託案件も獲得。売上・収益の拡大に大きく寄与したことに加え、適正チャージによる良好な収益率を確保していることが高く評価され、技術社員MVPを受賞。

「当然のこと」を疑う視点でお客様自身も気付かぬ課題を解決

―湯浅さん、技術社員MVPの受賞おめでとうございます。ご自身では受賞の要因は何だとお考えですか。

湯浅 私は2017年11月入社ですが、この短期間でMVPに選んでいただけたのは何よりも『幸運』が背景にあったように思います。話がそれますのでここではお話ししませんが、自分の過去を振り返ってみるといくつもの幸運のおかげで今の私があると感じていますし、今回も2つの幸運がありました。
 まず1つ目の幸運は、現在の業務で扱う製品が大学向け学務パッケージだったのですが、前職でも学校向けパッケージソフトの担当をしていたことです。しかも、過去担当していた当時は少人数の体制だったため、私もお客様の要望の聞き取りから設計・プログラミング・納品、そしてアフターサービスまで一連の工程を担当していました。そのおかげで学校業務に関する相当程度の知識と経験を一通り得ていたことで、今回のプロジェクトでも最初から業界用語や専門用語で会話ができ、早期の信頼関係構築に大きく寄与できたと思っています。お客様に「こいつ、分かってるな」と感じていただけたんでしょうね。
 もうひとつの幸運―もしかしたらこちらの方が影響力が大きかったのかも知れませんが―お客様担当者と「ウマが合った」ということです。自分の考えていることや意図が上手くお客様に伝わり理解していただける、そんな素晴らしい環境で仕事をさせていただいています。

「当然のこと」を疑う視点でお客様自身も気付かぬ課題を解決

湯浅 決め手と言えるかどうかは分かりませんが、お客様自身が課題として意識さえしていなかったことに気付き、解決できたことは大きかったかもしれません。
 配属先の学務パッケージには独特なフレームワークが採用されていて、初期習得のハードルが極めて高く、新たに配属になった技術者がその難解なフレームワークを理解するまで約3か月間の習得期間が必要でした。同社では常時6~7社の派遣会社から50名程の技術者が派遣されていたのですが、中にはついに習得できず、撤退に追い込まれた例もあったようです。私たちが仕事をする拠点は、もともと配属先の開発サテライトオフィスとして開設されたという経緯もあり、プロパーのエンジニアが常駐していない状況でした。明確な形の技術的OJTはなく、ドキュメント類もほとんど揃っていない状態でした。そんな環境も手伝ってか、初期習得に3か月間を要することに対して誰も疑問に思わず、ごく当然として受け止められていました。
 でも、どれだけ難解なものでも初期習得に3か月間かかるというのは私には異常としか思えません。そこで、なぜ3か月もかかってしまうのか考えてみると、原因は難解なワークフレームそのものではなく、ドキュメント類が揃っていないことだとすぐに気付きました。そこで、任せられた仕事は極力手早く済ませて何とか時間を捻出し、マニュアル作りに着手しました。幸い、配属直後ということもあって残業しなくてはならない程の仕事量はなかったため、プロジェクトのスケジュールに影響を与えることなく密かにマニュアル作りを進められました。
 その結果そこそこの出来栄えのマニュアルが完成し、実際に運用してみると、これまで3か月間必要だとされていた習得期間がIT社のメンバーは約1か月で済むようになり、劇的に短縮されました。
 今ではIT社以外の技術者にもこのマニュアルが活用されるようになり、お客様のお役に立てて本当に良かったと感じています。そんな取り組みもお客様から評価されて配属人数も増え、受託案件もいただけたのではないかと思います。
 当然のこととして疑問に思わない所に本当の課題が潜んでいることは多いと思いますし、本来であれば解決できることや解決すべきことが、あたかも解決不可能なこととして前提条件になってしまっていることが往々にしてありますよね。

「お客様が幸せになれるか」を常に意識し続けることが大切

―なるほど、それは見事な成果ですね。でも誰も疑問に思っていない点に気付くのは簡単ではないですよね。

湯浅 自分の仕事を通して「お客様が幸せになれるか?」という点を常に意識して仕事ができるようになると、隠れた課題にも気付けますし、結果としてお客様に喜ばれる仕事ができるのではないでしょうか。お客様にパッケージソフトを導入していただいたのに業務が楽にならなければ嘘ですし、「仕事が早く終わるようになった」と言ってほしいですよね。
 仕事をする上で大切なのは優秀なシステムを構築することでも、商品を売ることでもなく、「お客様の困りごとの本当の原因を見つけて解決する」という心構えだと思います。
 ただ、心構えは重要ですが、それだけでは良い仕事はできませんので、実践的な手法として「タスク」の管理をお勧めしたいです。つまり、業務を仕分けして個々の「タスク」として管理し、自分の仕事を把握するんです。タスクを作る時には、「①そのタスクの目的」や、「②そもそもなぜそのタスクが必要なのか」、「③はたして本来の課題解決に向かっているタスクなのか」といったようなことを意識して考え、計画的に仕事を進める習慣を身につけることが大切です。その結果、仕事の優先度も明確になって無駄が省けたり、意外なほど時間が作れたりしますし、何と言っても「お客様にとって何が必要か」が見えてくるはずです。
 ただし、自分自身の技術力向上に対して努力を怠らないということは忘れてはいけません。ある程度スキルが身に付いていないと、適切なタスク管理もおぼつきませんし、時間的な余裕を作ることは難しいですから。目の前の作業で手一杯になっていては、その仕事の意味・目的や背景などを考える時間と気持ちの余裕はありませんよね。
 少し概念的な話になってしまいましたが、若い技術者の方に何かヒントになることがお伝えできればと思い、少し偉そうな話をしてしまいました。具体的なタスク管理の方法については、先輩技術者が教えてくれますので、気軽に聞いてみてください。

合わせて読みたい

社員インタビュー 一覧へ