社員インタビュー

エンジニアインタビュー/車載組込開発センター

PROFILE

平石 健一

㈱テクノプロ テクノプロ・デザイン社

自動車請負統括部

車載組込開発センター 神戸事業所

ECUソフト開発グループ プロジェクトマネージャー

梶本 裕子

㈱テクノプロ テクノプロ・デザイン社

自動車請負統括部

車載組込開発センター 神戸事業所

ECUソフト開発グループ

髙木 順一

㈱テクノプロ テクノプロ・デザイン社

自動車請負統括部

車載組込開発センター 神戸事業所

ECUソフト開発グループ チーフマネージャー

児玉 忠康

㈱テクノプロ テクノプロ・デザイン社

自動車請負統括部

車載組込開発センター 神戸事業所

ECUソフト開発グループ エキスパート

※部署・肩書は取材当時のものです。

テクノプロ・デザイン社は現在、エンジニアを1 人で派遣する形態ではなく、ユニットリーダーが複数のエンジニアを組織化して技術力を提供する『ユニット化』を推進しています。お客様の同一部署に複数のエンジニアを配属するだけに留まらず、仕事や育成など様々な面でエンジニア同士が上下を問わず連携・協力し合うことで、より高い価値を生み出せる組織の構築を目指すユニット化。今回は、実際にこのユニット化を推進し、派遣からお客様構内の請負へ、そして開発センターでの受託開発へとプロジェクト体制を進化させてきた車載組込開発センター 神戸事業所のメンバーを取材し、どのようにユニット化を実現したのかについてお聞きしました。また、テクノプロ・デザイン社の役員として『ユニット戦略室』を管掌する阿部哲也TPR 取締役には、ユニット化を進める意図や想いなどを語っていただきました。

同じ考え方を持つ3人が集まり『ユニット化』がスタート

―ユニット化の実現に至るまでの経緯について概要をお聞かせください。

髙木 私がテクノプロ・デザイン社に入社した直後は、自分も1人の派遣エンジニアとしてお客様の開発現場で、お客様から指揮を受けながら開発業務を行っていました。担当業務は一貫して車載用ECU(Electronic Control Unit =電子制御ユニット)の開発です。自動車の様々な機能や装置をコントロールする、いわば自動車の頭脳ともいわれる重要部品でしたから、やりがいと責任感を持って業務にあたっていました。とはいえ、当時を振り返ってみても意識の大半は自分自身の技術力を磨くことに集中していたような気がします。
そんな状況に変化をもたらしたのは、入社してから数年が経った頃、私が仕事をしている部署に平石さんと児玉さんの2人が派遣エンジニアとして加わってきたことです。まだ当時はテクノプロ・デザイン社の社内にもユニット化という言葉や概念が十分に浸透していない頃でしたが、3人で相談した結果、お客様に「『ユニットとしてプロジェクトを遂行したい』と提案しよう」ということになったんです。私たち3 人が図らずも「仕事を『自分ごと』として進めたい」という同じ方向性の考え方を持っていたことで、「この3人ならできる」という自信、確信のようなものがあったからです。
 それを聞いたお客様も「効率的で技術力の高いサービスが受けられるのなら……」と私たちの提案を快く受け入れてくださって、ユニット化がスタートしました。今、思い返すと、2 人と出会ったことによる小さな気持ちの変化が、その後の大きな体制の変化に繋がって行ったんですね。

ユニット化で仕事の裁量が拡がり組織力と責任感が高まった

―ユニット化を推進されて実感された効果はどのような点でしょうか。

髙木 派遣の場合は当然ながらお客様から指揮命令がなされますが、ユニット化を進めることでテクノプロ・デザイン社の中にも指揮命令系統が生まれます。指揮を執るリーダーが中心となりメンバーの行動や業務を管理することでコミュニケーションも深まり、組織力を高められるんです。
 また、なんといっても自分たちが担当する開発製品の品質を担保しようという責任感が醸成されることも大きな効果です。チーム内で設計手法・業務計画・業務分担などについて議論し、判断しながら業務を進めることで「責任を負うことは当然」という意識が自然に生まれてきます。もちろん、ユニット化されていない現場で働く方も責任感は当然に持って業務にあたっているはずですが、ユニット化で自分たちで考え、判断できる範囲が広がることで責任の質も少し変わりますし、技術者としての成長をよりいっそう促してくれると思います。
児玉 同じ会社の仲間と、同じ目的に向かって意見交換しながら開発業務にあたることで情報を伝達するスピードや正確性、量などは格段に向上しましたね。
平石 目的や志を同じくする仲間と仕事をする体制であれば、仕事の進め方に関する議論や提案も遠慮なくできます。また、自分たちで考えてやっていることなので、万が一、間違えた時でも自分たちの判断で適切に軌道修正できますし、結果として生産性や品質の向上につながっていることは間違いありません。
梶本 構内請負では当然お客様のルールに従って行動します。でもユニット化が進んで受託で業務を行うようになれば労働環境の改善なども自分たちでルールを最適化できますし、開発環境もお客様の基準内ではありますが自由度が格段に高まります。
髙木 ユニット化に限りませんが、新たな取り組みを始める際に何よりもまず実現しなくてはならないのはお客様にとってのメリットです。その観点から考えても、私たちのユニットに一定量の開発案件を一括して任せていただくことができれば開発にかかるお客様の諸々の負荷を軽減できます。それによってお客様が経営資源を、投下すべきところに効果的かつ集中的に投下することができるようになれば、お客様にとってもユニット化がポジティブな意味を持つはずです。もしお客様からそのような効果が実際に実現したという言葉を直接聞くことができたら本当に嬉しいでしょうね。きっとその夜には場所を変えてメンバーで祝杯を挙げると思います(笑)。

ユニット化により得られた環境でメンバーが互いに成長を実現

ユニット化によってメンバーの教育面・育成面への影響はありましたか?

梶本 私自身について言うと、ユニットでの仕事を通じて自立的・主体的に仕事に取り組む姿勢が養われたと感じています。
 私は2015 年に入社して現在とは別のお客様の構内で請負業務に短期間携わった後、神戸開発センターに配属になりました。入社当時はECU はおろかソフトウェアに関する知識やノウハウはほとんど持っていない状態だったんですが、ユニットのメンバーのみなさんに助けていただきながら実際の業務を経験することで、いち早く成長することができたという実感があります。
平石 もともとエンジニアの育成はユニット化の大きな目的のひとつでもありますし、教育や育成という面で極めて有効な仕組みだと思います。ユニット化ではユニット全体で成果物の品質に対して責任を負う形になりますので、リーダーやベテランエンジニアにとって若手エンジニアの成長を手助けすることは重要な業務であり、同時にそれが品質向上への近道であることは間違いありません。私自身もユニットのメンバーと共に働き、問題を共有してそれを解決していく中で新たな発見や気づきがあり、エンジニアとして成長できています。成長曲線の角度は梶本さんには及びませんけど(笑)。
髙木 センター内には教育専門部隊がいますし、エンジニアを育てる環境は整っていると自負しています。座学・OJT はもちろん、自己研鑽も推奨していますので、メンバーが自主的に社内外のセミナーや研修を受ける機会も増えました。
児玉 私自身が従来から教育担当でしたが、ユニット化でエンジニアを育てる環境が整ったことは大きいですね。私もこれまでの自分の経験を活かして以前より緻密な教育計画書を策定するなど、新しく入社してきた社員により適した教育プログラムの準備を進めています。教育や研修は与えられたからといって簡単に身に付くものではありません。「知識やスキルを身に付けたい」という意志を主体的に持った時にその効果が最大化されるんです。ユニット内でそんな志を持ったメンバーに、十分なスキルアップの機会が提供できるような環境を整備・提供するのが私の役割だと考えています。 

テクノプロ・デザイン社 役員 阿部(取材当時)からのメッセージ

ユニット化の拡大は「エンジニアの育成」「プロジェクト参画意識の醸成」「開発品質の維持向上」「お客様の負荷軽減」など、多くの目的を実現できると考えています。しかし単に配属人数が多いチームを作ればよいというものではありません。ユニット化の前段階としてOJTの実施や業務管理ができる体制づくりに注力しています。
エンジニア組織に強い育成力と自走力が備わることはお客様にとっても多くのメリットがあります。お客様からの信頼を得た上で、さらに請負や受託へと発展させることで、確固たる信頼関係を構築することを目指しています。
またテクノプロ・デザイン社はかねてから個々のスキル向上を目指す様々な施策を実施してきましたが、それらに加えて仲間と組織で仕事する環境を多く用意することで成長をさらに加速させたいと考えています。これまでと変わらない形で技術者派遣を続けるだけでは今後の成長は期待できません。ユニット化による技術の蓄積や社内への伝承があってこそ、はじめて実現されるものであると私は信じています。

(2019.01.04)

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