技術サービス業界での働き方

若者よ、自分の将来も「口コミ」に頼るのか?

メディアよりも口コミ

Facebookやtwitter、Instagramなどのソーシャルメディアの普及により、情報発信の主導権は消費者に移行し、企業の一方的な情報発信が許容されない時代となりました。それに伴い、時代の風をもっとも敏感に感じ取る10代、20代の若者たちは広告や情報サイトよりもC2C(※)の情報シェアをより信頼する風潮にあります。
図表1をご覧ください。新卒1,2年目エンジニア(2013、2014年入社)に「もっともよく接触するメディア」についてたずねたアンケート結果です。依然、テレビと新聞が高いシェアを維持していますが、次いでFacebookやtwitterなどのSNSが高シェアを獲得しています。SNSが普及して10年弱。まだまだ伸びしろのある媒体といえます。
※C2C…Consumer to Consumerの略。インターネットの普及で変化した企業と消費者とのかかわり方を端的に表現するために生まれた用語の一つであり、「一般消費者と一般消費者の間の取引」を意味する。(「知恵蔵2015」解説より抜粋)

図表1 最も接触するメディアは?

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自分の将来も「口コミ」に頼るのか?

そうは言っても、「誰が」「どういう状態で」投稿したのかわからない「口コミ」を人生の大きな選択でも同じく信用するとは限りません。図表2をご覧ください。就職活動を4つの段階に区切り、各段階で参考にした媒体トップ3を挙げています。 全ての段階において、周囲の意見・企業のアピール・世論に該当する「知人・友人の話」「企業説明会」や「テレビ・新聞・雑誌」、「ホームページ」等で満遍なく情報収集し、総合的に判断する堅実な傾向が見て取れ、就職活動においては、どの段階においてもSNSは上位にランクしていません。

図表2 就職活動で参考にした情報は?

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後輩に勧める一冊

ところで、入社を決める最終フェーズである「内定後、勤めるか検討した」段階で、「雑誌記事」を決め手にしている割合が最も高い点が興味深いのではないでしょうか? そこで、ここからはエンジニアの卵と若手エンジニアに先輩たちがお勧めする雑誌、書籍をご紹介します。

5

  • 日経ものづくり(日経BP社)
  • 内容紹介:設計・生産の現場の視点からものづくりの現場で役立つ情報をお届けします。

    「どうしても視野が狭くなりがちな職種であるエンジニアにとって、少しマクロな視点にさせてくれる、そんな一冊です。無関係だと思える記事でも、ヒントが山ほど眠っています。ものづくりの数だけ物語があり、エンジニアにとっては、小説のような雑誌でしょう。」(32歳男性、メーカーエンジニア)

 

 

6

  • 週刊ダイヤモンド(ダイヤモンド社)
  • 内容紹介:創刊は大正2年!書店で一番売れているビジネス週刊誌です。

    「学会誌は勉強になるし、若手の先生についてキャッチアップできるから勉強になるけれど、週刊ダイヤモンド等のビジネス雑誌を読むことで社会の仕組みを理解するのも大切だと思います。」(27歳女性、メーカーリサーチャー)

 

 

3

  • 「テストするモノ批評誌」MONOQLO(モノクロ)(晋遊舎)
  • 内容紹介:ガチンコテストと本音の批評で、本当にいいモノが分かります。

    「最新家電、時計、カメラ、自転車、おしゃれな家具とか情報がまとまっている点がいい。モノづくりに携わる上で、評価の高い製品とそのメーカーを知っておくと後々役立つのでは。」(28歳男性、メーカーエンジニア)

 

 

 

【番外編】 就職活動、という枠に収まりきらない壮大なご意見も。

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  • イザヤ・ベンダサン(著)「日本人とユダヤ人」 (角川ソフィア文庫)
  • 内容紹介:日本の歴史と現代の世相についての豊かな学識と深い洞察、新鮮で鋭い問題の提示。砂漠対モンスーン、遊牧対農耕、放浪対定住、一神教対多神教等々、ユニークな視点から展開される卓抜な日本人論。

    「民族による考え方の違いが歴史からよく分かるので、グローバルに色んな国のエンジニアと会話するときの違和感やギャップを埋めるのに勉強になった。」(31歳男性、メーカーエンジニア)

 

 

8

  • CNN English Express (朝日出版社)
  • 内容紹介:「アメリカの今」「世界の今」を伝えるCNNで生きた英語を楽しく学ぶ!

    「最新の技術系書類はほぼ英語なので、読解力は必須。CNN English Expressは少し手ごわい点でも自分の性格に合っているし、国際的な時事のキャッチアップに最適。」(28歳男性、開発研究職)

 

 

9

  • 松下幸之助(著)「道をひらく」(PHP研究所)
  • 内容説明:昭和43年の発刊以来、累計400万部を超え、いまなお読み継がれる驚異のロングセラー。松下幸之助が自分の体験と人生に対する深い洞察をもとに綴った短編随想集。

    「ここは君が選んだ道だ。」入社初日、直属の上司の第一声が、この言葉でした。当初あまり深くは考えなかった僕ですが、仕事をする中で悩んだりした時にこの言葉を思い出し、ふっと心が軽くなります。同じような感覚をこの本を読んでるときも感じました。エンジニアである以上どうしても超えられない壁にぶつかることはよくあります。その時、どう考えるかで、未来は変わっていくと思います。エンジニアに限らず今の道を選んだ、または選ぼうとしている全ての人に読んで欲しい一冊です。(33歳男性、メーカーエンジニア)

 

「エンジニアの卵に勧める一冊」というテーマで情報を収集した結果、思いがけず就活に縛られない深いアドバイスが多く寄せられました。「広い視野をもつこと」や「自分の選択に責任をもつこと」がエンジニアとして成長していく上で大切だというメッセージが感じ取れますね。 調査並びに報告:株式会社スマートウィル(報告:2016年7月21日)

テクノプロ採用担当

奇しくも7月10日に投開票された参院選では、国政選挙で初めて18歳以上に投票権が与えられました。「権利」は「責任」と表裏一体です。自ら選択する権利と責任を享受するためにも、他人から勧められたものを積極的に受け入れてみる。そして、最後は自ら良し悪しを判断できる自分なりの軸をもつ。。。そんな若者が背負って立つ日本を想像すると、なんだかワクワクしてきます。
エンジニアを志す皆さま、偏った意見に流されて後悔を残すことがないよう、幅広く情報を収集し、最後は自らの責任で最善の一歩を踏み出せますよう、引き続き応援しています!

エンジニア向けポータルサイト「Do」
do

調査概要

1.調査目的 技術系派遣業界各社のブランドイメージや認知状況、クリエイティブ好意状況等の調査分析
2.調査方法 アンケート形式
3.調査対象:下記4セグメントいずれかの該当者
①派遣エンジニア ②メーカーエンジニア ③新卒1~2年目 ④派遣エンジニア発注における決裁者
4.有効回答数 第1回632名、第2回615名、第3回690名
5.実施時期 2014年~2016年

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