テクノプロ・グループには日本在住の外国籍エンジニアが800名以上在籍しています(2021年9月末時点)。外国籍社員とのコミュニケーションを円滑にし、上手な意思伝達について理解するため、2021年11月11日(木)講師の千葉祐大氏をお招きし、職場に外国人がいる従業員向けにオンライン方式で異文化理解セミナーを開催しました。
講師のご紹介
千葉祐大氏
大手家庭用品メーカーに約12年間在籍し、販売・マーケティング部門で中華圏担当責任者として、香港、上海の現地スタッフをマネジメントした経験を持つ。
2006年よりコンサルタントおよび講師業を始め、現在は全国の企業、自治体、教育機関等で年間80回以上、おもに「グローバル人材」に関する研修や講演を行っている。
当日の内容
1. 日本で働く外国人の現状と見込み
2. 外国人の特性に関する基礎知識
3. 国籍・文化ごとのマネジメント法の違い
4. コミュニケーションと指導のポイント
5. まとめ/質疑応答
セミナーでは講師の千葉氏から、日本には私たちが想像しているよりも多くの外国人の方が住んでいて、多くは日本のアニメや芸能などのサブカルチャーに興味を持つ一方で、日本固有の文化を理解することが難しいと感じている人もいることが紹介されました。
例えば、激しい競争文化のある国で育つと、その場を切り抜けることに重きを置いて、何でも「できる」と公言する傾向にあります。しかし、私たち日本人は相手が「できる」と答えたら真に受けてしまい、会話から得た情報と実際との間に齟齬が発生してしまうこともあるという事例が紹介されました。参加者の中には大きく頷く姿が見られ、同じような経験を持つ従業員も多くいるようでした。
また、日本語能力試験で最高レベルのN1(語彙数約10,000語、漢字約2,000字)の資格を持っている外国人でも、日本語を使って仕事をすることは容易ではないため、私たち日本人には可能な限りやさしい日本語を使うことや、カタカナ語を避けることが求められます。セミナー中、講師からやさしい日本語への変換が出題されましたが、実際にやってみると直ぐにはできないものです。最後に、言語の問題や価値観の違いから職場で疎外感を感じてしまう外国人の例が紹介され、私たち日本人がどれだけ外国人に歩み寄れるかが大切だと語られました。
講師よりコメント
参加者の皆さんが大変熱心に耳を傾けているのを感じましたし、皆さんが外国人と良好な関係を築くということに前向きで講師冥利に尽きました。日々の現場では本日のセミナーの内容がそのまま当てはまらないケースも多く存在するかと思いますが、それぞれがセミナーで得た知識を応用して柔軟に対応してくれることを願います。
参加者の声
約30名の参加者から寄せられたアンケートの一部をご紹介します。
・外国籍社員と英語でコミュニケーションを取っていますが、根底にある考え方の違いなど、日本社会特有の問題を改めて再認識しました。日本人としてできることに目を向けていこうと思います。
・外国籍社員だけでなく、日本人同士でも使える内容でした。自分自身の意識を変えなければいけないと感じました。
・セミナーに参加したことで外国籍社員の人たちと別な角度からコミュニケーションができると感じました。今後関わっていく中で言葉遣いや互いの文化を考慮しながら接したいと思います。
テクノプロ・グループでは、外国籍従業員が業務中に限らず日常生活でも不便を感じることが無いよう、外国籍社員サポートプロジェクトが運営されていて、英訳された規程・マニュアル類が用意され、また、多言語コールセンターやメール翻訳窓口なども利用できる体制が整っています。
(2021.11.11)