「創薬研究の考え方と実践 –痛風・高尿酸血症治療薬の開発と裏話-」
テクノプロ・R&D社では、研究者の知見の広がりを通じた研究開発業務の高品質化を企図して、化学・バイオ分野の著名人をお招きして、定期的に自社の研究者を対象とした社内セミナーを開催しています。
2017年9月9日(土)、第8回社内セミナーをホテルヴィラフォンテーヌ汐留コンファレンスセンター(東京都港区)で開催し、帝人グループフェローの近藤史郎様先生をお招きして、痛風・高尿酸血症治療薬「フェブキソスタット」の開発にまつわる様々なご経験について講演いただきました。
■テーマ
「創薬研究の考え方と実践 –痛風・高尿酸血症治療薬の開発と裏話-」
■講師
帝人株式会社 帝人グループフェロー/近藤研究室室長 近藤 史郎先生
■セミナーの様子
普段なかなかお話をお聞きできる機会の無い近藤先生のセミナーに、全国からテクノプロ・R&D社の研究者44人が集まりました。近藤先生からは、創薬の歴史、創薬研究の網羅的な流れ、そして実際の痛風治療薬が市場に流通していくまでの壮絶な実話を時々にユーモアも交えながらお話いただき、あっという間の1時間30分となりました。
質疑応答では、ビジネス面に関する質問や、研究実務における疑問など様々な質問があり、近藤先生から分かりやすくご回答いただきました。
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【質問例】
- 「日本の製薬業界について、薬の承認・審査の問題点は?」
- 「痛風薬を開発するに辺り、将来の見込みをどう見ていたか?」
- 「薬となる物質の構造と活性中心は?」
また、セミナー参加者からは、多くの感想が寄せられ、日頃の研究開発業務へのヒントも得られた様子にセミナー開催事務局も次回開催に向け弾みがつきました。
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【感想例】
- 「痛風の医薬品開発だけでなく、医薬業界や日本の業界の位置、他の医薬品開発秘話が聞けて良かった」
- 「問題点を一つずつ丁寧にクリアされて積み上げられた過程を窺い知れ、小さな問題点も疎かにせずに解決していく事の重要さを改めて思い知らされた」
- 「日頃からデータだけを見るだけでなく、現象をしっかり見ることが成功させる秘訣だと感じた」
- 「色々な試行錯誤を繰り返しながら、最後まで自身の研究が後の世の中の役立つ薬になると信じ続けて研究を行う事が如何に重要かと感じた」
□近藤史郎先生の紹介 帝人グループでは、研究・技術開発力の向上、モチベーションの向上を目的として「帝人グループフェロー」制度が導入されています。名誉とともに自分の発想のもと、自由に研究に取り組める環境が約束されるフェローは、研究者たちの目標となっています。 |
(2017.09.09)