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第13回科学の甲子園全国大会/史上初の2連覇、神奈川県代表の栄光学園高等学校が優勝

「広げよう科学の輪 活かそう科学の英知」のスローガンのもと、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が進める『科学の甲子園』。

2011年度に創設された科学の甲子園は、高等学校などの生徒チームが理科・数学・情報の複数分野の競技に取り組み、競い合い、活躍できる場を創ることで、科学好きの裾野を広げるとともにトップ層の学力を伸ばすことを目的としており、今年で13回目を迎えます。

各都道府県で実施された代表選考には、704校8,042人のエントリーがあり、選抜された47都道府県の代表校が、全国大会で筆記競技と実技競技に挑戦しました。また今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となっていた一般観客席が5年ぶりに設けられ、より一層の熱気に包まれました。

本コラムでは、2024年3月16日(土)につくばカピオで開催された、実技競技①②③の様子をお伝えします。
詳しくは、JSTのホームページもご覧ください(https://koushien.jst.go.jp/koushien/)

実技競技①「アッピン地質ワールド」

実技競技①は、地学分野に関しての出題。選手たちはつくばカピオに現れた「アッピン地質ワールド」で、海岸の地質調査に取り組みました。

ミッション1:海岸に露出している地層の走向・傾斜を測定し、地質構造を明らかにせよ
ミッション2:トンネルをAR(拡張現実)で調査し、地質構造の模型をつくれ
ミッション3:地質ワールドで採取できる岩石の標本を製作せよ

今後の地球環境や未来をふまえ、高校生にも「地学」という時間と空間の連なりを視野に入れて、幅広い総合的な学びをしてほしいと出題されたこの課題。真剣な表情で観察・測定・記録・採取をしながら奮闘する選手たちは、さながら地質学者のようでした。

実技競技②「手のひらの金属鉱山」

実技競技②「手のひらの金属鉱山」は、鉱山開発が古くから盛んであった茨城県にちなんだ化学のご当地問題。未知の物質に既知の物質を混ぜて反応させることで未知の物質に何が含まれているかを明らかにする「定性分析」という手法を使って、試薬と金属の正体を突き止める課題に取り組みました。

この課題のポイントは、これまでの経験や配布された資料から知識を総動員して未知の物質の正体を明らかにすること。限られた時間の中で、少ない情報から手掛かりを探し、実験を繰り返していきます。一人だけで進めることの難しい実験に挑戦する選手たちはチームで連携して戦略を立て、答えを導き出していきました。

実技競技③「バルーンフェスタ in つくば」熱気球の昇降運動を科学せよ!

実技競技③は、事前に課題が公開されており、配布された材料を使用して課題を解決できる機体(熱気球)を製作します。大会当日には会場の各チームに同じ材料が用意され、1チーム4人で機体の再現に挑みます。

ポイントは、目標滞空時間の範囲内で、できるだけ重いおもりを載せること。各チームはそれぞれの学校で何度も試作機を製作して練習を重ね、分析結果をもとに自信を持って本番に臨みます。

事前課題での練習通りにいかず苦労する学校がある一方、練習以上の成果を出す学校もあり、結果はさまざま。会場で悔しさをにじませる生徒のかたわらで歓声を上げるチームもあるなど、悲喜こもごものドラマが繰り広げられました。この競技で見事第1位となった福井県代表の福井県立藤島高等学校は、課題が発表されてから2ヶ月の間、試作を重ねてきたそうで、緻密な設計とシミュレーションによって好成績をたたき出しました。

社会に出たら計画通りにいかないことはよくあること。そんなときにデータを拠り所にしてほしいという出題者の思いに、選手たちは一生懸命応えました。

全国大会の結果

総合順位(筆記競技・実技競技の総合得点)

1位 栄光学園高等学校(神奈川県)
2位 筑波大学附属駒場高等学校(東京都)
3位 岐阜県立岐阜高等学校(岐阜県)
4位 神戸大学附属中等教育学校(兵庫県)
5位 福井県立藤島高等学校(福井県)

優勝した栄光学園高等学校の皆さん

各競技の順位

筆記競技 1位 栄光学園高等学校(神奈川県) 2位 久留米大学附設高等学校(福岡県)
実技競技① 1位 宮崎県立宮崎西高等学校(宮崎県) 2位 佐賀県立唐津東高等学校(佐賀県)
実技競技② 1位 神戸大学附属中等教育学校(兵庫県) 2位 岡山県立岡山朝日高等学校(岡山県)
実技競技③ 1位 福井県立藤島高等学校(福井県) 2位 佐賀県立唐津東高等学校(佐賀県)

実技競技②第2位「テクノプロ賞」
「テクノプロ賞」は実技競技②第2位を獲得した岡山県立岡山朝日高等学校に贈られました。

▼大会詳細はこちら
https://koushien.jst.go.jp/koushien/report/2024/index.html

■お問い合わせ
「科学の甲子園」についてのお問い合わせは下記までお願いします。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 理数学習推進部 才能育成グループ
E-mail: koushien@jst.go.jp

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