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NPO法人Waffle主催「Waffle Camp ホームタウン」にテクノプロ・IT社のエンジニアが登壇


2023年12月14日(木)、株式会社テクノプロ テクノプロ・IT社(以下IT社)のエンジニア辻葉月さんが、千葉県立千葉女子高等学校で開催された、IT分野のジェンダーギャップの解消を目指すNPO法人Waffle主催の「Waffle Camp ホームタウン」に登壇しました。

Waffle Camp ホームタウンとは?

「Waffle Camp ホームタウン」は、ITなどの分野で働く社会人によるキャリア講演や、ウェブサイト制作講座を組み合わせたプログラムにより、女子およびノンバイナリーの中高生向けに「IT・理系への苦手意識をなくし、関心を高める」ことを目指して行われるNPO法人Waffleが主催する活動です。テクノプロ・ホールディングス㈱では、STEM領域における女性活躍を後押しするイベント「Waffle Camp ホームタウン」に協賛し、同イベントの開催を通じて女性活躍の機会や次世代理工系人材の裾野拡大に取り組んでいます。

当日はWaffle Campのプログラムのひとつである、IT分野で働く社会人の講演「キャリアトーク」を辻さんが担当。エンジニアの道を選んだ理由や学生時代の悩みについて語っていただいたほか、学生の皆さんへの応援メッセージを贈っていただきました。

理系分野で活躍する女性に憧れて理系の道へ

 実は高校時代、理系の科目はとても苦手で、数学は学年が上がるごとに雲行きが怪しくなっていき、物理も基礎を理解するのがやっとの状態。テストはいつも赤点ぎりぎりで、補習組の常連でした(笑)。
 
 それでも当時、少しずつ話題になってきた理系分野で活躍する女性に憧れて先生に相談してみたところ、「理系から文系に変更することは可能だが、逆は難しい」と聞き、まずは理系を選択しました。受験勉強は予想していた通り大変でしたが、どうにか無事に大学の理工学部に合格できました。

 高校生の頃は、これといってなりたい職業が見つかっていなかったので、文理選択で理系を選んだのも自分の直感でしたが、「苦手だから」といって諦めなくてよかったと思います。

大学時代に見つかった「本当にやりたいこと」

 大学入学後はゼミの研究に励んだり、サークル活動を楽しんだりと充実したキャンパスライフを送り、大学3年目の春に再び自分の将来について考えるタイミングが来ましたが、この時も将来の明確なビジョンが描けていたわけではありませんでした。

 進路についていろいろと考えた結果、建築系の学科を専攻していたこともあり、まずは施工管理の業務を体験するインターンシップに参加することにしました。ところが実際に職業体験をしたり、先輩社員から話を聞いたりする中で、「自分のやりたいこととは少し違うな」と感じたんです。その結果、振り出しに戻って次のインターンシップ先を探していたところ、いま私が働いているIT社に出会いました。

 IT分野には元々興味があったのでインターンシップのプログラムも魅力的でしたし、高校生の時に憧れていた理系分野で活躍する女性のイメージにぴったりで(笑)。実際に参加してみると、プログラミングなどがとても楽しいと感じ、「私がやりたかったことが見つかった」と思いました。

IT社に入社、エンジニアとしてのキャリアがスタート

 インターンシップが楽しかったこともあり、IT社から内定をもらって迷わず入社を決めました。仕事が魅力的だったこともありますが、研修の種類が豊富だったことや、正社員雇用で安心して働けることも選んだ決め手です。

 入社後に配属されたのは大手不動産企業の物件検索サイト開発の業務でしたが、大学時代にITを専門的に学んできたわけではないので、最初は専門用語が分からないし、コードも読めない、書けない……という状況で、とても苦労した覚えがあります。

 それでも業務内容はやりがいのあるものでしたし、周りの先輩のサポートのおかげもあって徐々に慣れていきました。自分の開発したウェブサイトがリリースされ、スマートフォンで見たときに「これは自分が開発したサイトだ」と思うと大きな達成感を得られますし、実際に物件を検索する人の役に立っているという実感もありますので、この仕事が好きですね。

仕事を進める上で求められる文系的な能力

 社会人として実際に働いてみて感じたのは、仕事を進める上では理系の要素だけではなく、文系的な能力も必要だということです。実務ではITに関する専門的な「これぞ理系」といった知識を使いますが、チームメンバーやお客さまとのコミュニケーションは何より大切ですし、ウェブサイト開発の仕事でも英語が必要な場面があります。私自身も、みずからのスキルを磨いていくために、文系・理系のどちらか偏った思考ではなく、柔軟に自分をカスタマイズしていきたいと思います。

学生の皆さんへメッセージ

 私は理系科目がとても苦手でしたが、自分の気持ちを信じて理系の道を選択しました。その結果、今の仕事も充実していますし、あの時の選択は間違いではなかったと感じています。

 受験においてはどちらかを選択する必要に迫られますが、得意・不得意ではなく「自分のやりたいこと」に近いほうを選んでみてください。そして、どちらを選んでもやり直しはできますし、進路を変えられないなんてことは絶対にありません。

 もし私のように理系の世界に入ってきてくれる方がいたら、いつか一緒に仕事をしたいですね。

講演を終えて

 登壇する前は、私のキャリアプランについて話すことで、高校生の皆さんに何か役立つことができるのか不安でした。私は高校時代に理系を選択しましたが、実際には理系科目が得意ではなく、大学進学後も特にIT分野に携わることなく過ごし、社会人になって初めて「プログラミング」というものに真剣に触れたからです。

 しかし、登壇した瞬間に皆さんの真剣な眼差しを感じ、単に理論的な話だけでなく、私自身の学生時代の実体験を共有することで、理系科目が苦手でも理系に進みたいと思ってくれたり、IT分野に興味を持ってくれたりしたら嬉しいなという思いで、ありのままにお話しすることができました。

 「文系に進みたい」、「理系に進みたい」と考えが決まっている場合は、自分の好きな分野に進むべきだと思います。苦手な科目があって迷っている方にとって、私の経験談が一助となり、一歩踏み出す勇気を少しでも感じてもらえていたら嬉しいです。

 最近では、仕事に追われている中で、当初のIT業界への進路決定時の気持ちや、将来の目標の姿を見失っていました。しかし、今回の講演を通じて、自分が思い描いていた方向に近づいているか、今後どのように進んでいきたいかを再確認することができ、私自身も自己理解を深める良い機会となりました。

 最後に、学生の皆さんの未来は無限大です。皆さんが将来この道を選んで良かったと笑顔で思える日が訪れることを心から願っています。ありがとうございました。

(2024.01.12)

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