社員インタビュー

PMP資格対策講座を活用してお客さまへの対応力を磨く


テクノプロ・グループで教育研修事業を手掛けるピーシーアシスト株式会社(以下「PCA」)。米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)と『認定トレーニング・パートナー(ATP)契約』を締結。PMIの認定プロジェクトマネージャー資格である『Project Management Professional』(以下「PMP®」)の公式対策講座の提供を開始し、テクノプロ・グループの従業員に向けて研修を実施しています。
PMIによると2030年までに新たに2,500万人のプロジェクトマネージャー人材が必要と予測されており※、プロジェクトマネジメントについてのスキルを評価する手段として国際的な知名度を持つPMPに対する注目が集まっています。
今回は、部内で積極的にPMP取得講座の受講を推進している、テクノプロ・IT社(以下「IT社」)公共ソリューション事業部の事業部長である石垣善史さんにお話を伺いました。

※PMI人材ギャップ・レポート(PMI Talent Gap Report)

ビジネススキル向上にPMP資格対策講座を活用

公共ソリューション事業部ではPMP®資格に関する講座受講を部門として積極的に推進されているとお聞きしました。そのきっかけはどういったものだったのでしょうか。

石垣 一番の要因は、プロジェクトマネジメントスキルを持つ人材に対するニーズやスキル要望の変化です。
IT業界において大規模開発のオフショア化が一般的になった2010年以前は、コンサル企業が最上流でその下の大手ベンダーがプロマネを務め実務工程を担う会社が手を動かす、といった明確なウォータフォール型の構造が主流でした。そういった状況では役割分担が強く、プロマネ需要は乏しかったのですが、アジャイル型の開発手法が広く浸透してきたことで事情が変わってきたのです。細分化された複数のプロジェクトが同時に立ち上がるようになったことにより、これまで以上にプロジェクトマネジメントを担当及び補佐できる人材が必要になり、IT社にもそういったニーズが寄せられるようになってきました。

公共ソリューション事業部では、ソリューション人材を自治体ITの有識者と位置づけ、高付加価値化の取組みとしてテクニカルスキルと同等以上にビジネススキルを重視し経産省推進資格であるITコーディネータ(ITC)の取得を推進していましたが、グループの研修を担当してくれているPCAの方から、「人をまとまって集められるなら事業部向けにPMP®資格取得対策講座を開催しますよ」という提案を受けました。私自身、PCAがPMIと契約を締結して講座を提供していることは知っていましたが、部署のメンバーが一緒に参加できることに魅力を感じて、自分も参加する形で開催をお願いすることにしたのです。

石垣さん自身も参加されたとのことですが、事業部での開催にはどういった狙いがあったのですか。

石垣 個人で講座に参加することも素晴らしいのですが、同じ事業部の仲間が集まって研修の中で会話し、全体のやりとりを共有できることが相互の考え方の目線合わせにつながり、結果としてエンゲージメントの向上にも寄与して、部門としての資産になるはずだという思いがありました。
また、講座で学んだことを、明日の仕事に活かすことが何よりも大事だと思うのです。プロジェクト遂行の際に人員配置や役割変更を部分的に担当する管理社員も、技術社員と共に学ぶことにより、学びの過程を正しく理解し、個々のキャリアプランを適正に支援できるのではと考えました。

講座を通じてお客さまへの対応力を磨く

実際にご自身も参加して講座を開催し、実感されたことなどはありますか。

石垣 研修受講前は、PMP®資格の印象について「アメリカで開発されたフレームワークを守るための資格」という印象があり、我々の実務に有益になるのか半信半疑でした。しかし、今回のPMP®講義では、当社でエンジニア経験があるPCA講師の高橋さんに、参加者の立ち位置を理解したうえで講義していただいたこともあり、非常に有意義なものになりました。テクノプロ・グループのパーパスや事業部の方向性をふまえたうえでの講義は大変分かりやすく、当社グループである強みを生かした唯一無二の講座であったと感じています。
内容についても、納期厳守の開発管理の考え方だけではなく、コンプライアンスや顧客への価値提供、プロジェクトメンバーとの有効なコミュニケーション手段など多岐にわたり、「人のチカラ」、すなわちビジネススキル向上に寄与する有益な講座だったと思います。

私たちの強みはお客さまに実務工程を含めた本質的な価値提供ができることであり、その点で高付加価値を実現するにはビジネススキルが今まで以上に重要になると思っているのですが、エンジニアの皆さんにその能力を高めていただける機会や環境が乏しいというのが実情でした。
特に公共の分野では長く自治体で仕事をしてきたその道の専門家がフロントとして対峙し、しっかりと利害関係を調整するために高いビジネススキルを発揮している方が評価されやすいことから、さまざまなケースを学習して引き出しを増やすことができる研修が非常に有用だと思いますし、業務経験を持ったうえでこの講座を受講するとさらに深く落とし込めると思います。また、PMP®資格は社会の変化に沿って内容が刷新されていて、現在の最新版を見てもひとつ前のバージョンと大幅に内容が異なります。過去の公共分野での常識はデジタル庁発足後に大きく変化してきていますが、PMP®資格の内容がどのように変遷してきているかも受講を通じて知ることができたので、将来の変化に対応する上でのヒントになったと思います。

「自分の人生が良い方に変わった」と感じる人を増やしたい

「人のチカラ」であるビジネススキルの重視や、長期的、持続的なメンバーの成長など、グループのパーパスを実践されている印象があります。

石垣 コンプライアンスが浸透した現代社会においても、現場おいては激務となりえる要素や、環境の変化により対応不良を起こす要素がなくなっているわけではないと感じています。プロジェクトにより燃え尽きてしまったり、消耗してしまったりする環境はサステナブルではありません。その一方で、機会を得た時にそこで発生しうるリスクを必要以上に恐れることにより、チャンスの獲得や変化による成長機会への取り組みができなくなることも好ましくないことと考えています。

PMP®資格取得講座では、社会やプロジェクトのリスクや、利害関係者による対人関係の問題や解決方法なども学べました。中途採用で入社される人が多く、たくさんの取引先がある当社は、ESアンケートの実践継続等により、他の企業に比べ多様性の対応力や流動性の機会があると感じています。個人や組織が、当社グループの多様性や流動性をよい機会として活かし、健康・安全に取り組む上では、ビジネススキルを継続的に高め続けていくことが有用な手段だと思います。
現場で顧客対応を行って頂いている社員のチカラが私たちの何よりの強みですから、組織のビジネススキルを段階的に成長させて、今までの経験や信頼を生かした一歩上の仕事に携わることで、周りにもよい影響を与えて感謝されるという事例を数多く作りたいですね。パーパスの実践により、その人にあった成長機会や学びの場が増え、日々の気持ちの整理や行動に変化が生まれ「自分の人生が良い方に変わってよかった」と感じられる組織を目指して尽力したいと思っています。

――石垣さん、お忙しい中、ありがとうございました。

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