「広げよう科学の輪 活かそう科学の英知」のスローガンのもと、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が進める『科学の甲子園』。2011年度に創設された科学の甲子園は、高等学校などの生徒チームを対象として、理科・数学・情報の複数分野の競技に取り組み、競い合い、活躍できる場を創ることで、科学好きの裾野を広げるとともに、トップ層の学力を伸ばすことが目的とされ、今年で12回目を迎えます。
各都道府県で実施された代表選考には、668校7,870人のエントリーがあり、選抜された47都道府県の代表校が、全国大会で筆記競技と実技競技に挑戦しました。本コラムでは、2023年3月18日(土)につくばカピオで開催された、実技競技①②③の様子をお伝えします。
詳しくは、JSTのホームページもご覧ください(
実技競技①:「にほんの振り子-連成振り子の物理-」
2本の振り子を連結して、振動現象を実験・観察し、固有振動の持つ振動現象の奥深さを感じてもらう競技。
実技競技②:「顕微鏡、自分でつくれるってよ」
顕微鏡の原理を考察し、自分たちで製作した顕微鏡を使って100倍や400倍の画像をタブレットで撮影する競技。
実技競技③:「おかえりフックン船長」
全国大会の会場となったつくば市にはJAXA(航空宇宙開発機構)があり、JAXAと聞くと、2010年に小惑星イトカワの表面物質サンプルを地球に持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」を思い出す人も少なくありません。このことになぞらえて考案された競技が「おかえりフックン船長~マイコン制御によるサンプルリターンカート~」。なお、フックン船長とは、筑波研究学園都市建設50周年を記念して誕生した、市の特徴「自然(=フクロウ)」と「科学(ロボット・宇宙飛行士)」をモチーフにした、宇宙飛行士型フクロウロボットだそうです。
支給された部材を使って創意工夫を凝らして製作した探査機(カート)を、マイコン制御で動かしながら、地球を出発し、宇宙空間を航行し、小惑星でサンプルを採取したら地球へ戻るという競技です。下図のA(地球)を出発し、破線のように移動し、B(小惑星)でサンプル(クリップ)を磁石などで採取して、A(地球)に帰還できれば大成功!8ヶ所のチェックポイントとアクション毎の加点ポイントがあり、合計120点満点の競技に挑戦。
参加生徒が苦労したであろうポイント
- micro:bitというマイコンに内蔵されたセンサーや、外付けしたセンサーからのデータを処理し、プログラムだけで自律的に航行
- センサーでどのようなデータを集めるかの選択とできるだけコンパクトなプログラミング
- 探査機に見立てたカートの駆動構造とサンプル採取機構
医師と看護師が会場に常駐し、常に生徒の様子に気を配り、安全を考えた万全の体制。
テクノプロ・グループは、実技競技②で優秀な成績を修めた群馬県立前橋女子高等学校にテクノプロ賞を授与いたしました。
テクノプロ・グループは、JSTの活動に賛同し、第7回全国大会から協働パートナーとして生徒の皆さんの奮闘を応援しています。
(2023.03.18)