中田喜文の「エンジニア。データからはこう見える!」

Vol.1「4.6% – これは何の割合?」

4.6% これは何の割合でしょう?

はじめまして。同志社大学STEM人材研究センター長の中田喜文です。同大学で技術者について研究をしています。本コラムでは、日々技術者について研究を進める中で出会った色々な数字を、毎月1回程度ご紹介します。ただご紹介するだけではつまらないので、皆さんも少し考えてみてください。では早速クイズです。
『4.6%』-これは何の割合でしょう?もちろん技術者に関係のある数字です。

ヒント1. この割合は近年高まっています。
ヒント2. この割合は男性と女性で大きく異なります。
さて何でしょう。


今春の技術者給与の平均増加率?
違います。

 

 

 


在宅勤務で働く技術者の割合?
違います。

 

 

 

答えは、日本のすべての就業者に占める技術者の割合です。

表をご覧ください。

今、日本では約6600万人が様々な職で働いています。その中で技術者と呼ばれる人々は3,025,900人(4.6%)、つまり約20人に1人です。多いと思いますか。勿論答えは何と較べるかですね。例えば医師は、328,700人です。技術者数は医師数の9倍です。では、小中高等学校の教員はどうでしょう。1,665,000人です。まだ技術者の方が2倍弱多いですね。

それでは、日本にとって今の技術者数は、多すぎるのでしょうか。どうもそうではないようです。2007年と較べてみると、なんとこの10年で20%も増えています。そして、これだけ増えても技術者の求人は増え続けています。とは言え、技術者が一様に増えているわけではありません。この大きな増加の牽引者は、情報処理技術者です。この10年で全体の増加率の倍、約40%も増えました。それでも、このところのAIブームを考えると、情報処理技術者の増加は止まりそうにありませんね。

ちなみにAI先進国のアメリカでは、情報技術者は、全就業者の3.1%。割合でみれば、日本の情報処理技術者は2.1%ですので、アメリカの2/3の少なさです。

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